廃車の手続きはどうすればいいの?費用はいくら掛かるの?
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車を使わなくなった、車が故障してしまった、事故に遭って車がスクラップになってしまったなど、思わぬ出来事というのはさまざまなタイミングで起こるものです。
そんなときに必要となるのが廃車の手続きです。
これを怠ると、乗っていない、乗ることの出来ない車に対しても、自動車税の支払いが発生してしまいます。
そんな忘れてはいけない廃車の手続きとは、どんなものなのか。
そして費用はどの程度必要となるのかをご説明しましょう。
廃車手続きをする必要がある場合とない場合について
もうこの車はダメかも、となったときの選択肢はいくつかある
長い間愛情を持って大事に大事に使ってきた車なら、たとえば故障したり、何かぶつけてしまったなど、不測の事態が起きたときには、みなさんはまず『修理をしよう』と考えるのでしょう。
しかし壊れてしまったところを直すために、予想していた以上の費用が必要となったり、あるいは修復が不可能なくらいの、大きな壊れかたをしてしまったときには、みなさんは一体どうするでしょうか?
そんなことが起きてしまったとき、車が趣味ではなく、生活に必要なツールであるなら、すぐに車の買い替えを検討することになると思います。
ディーラーや中古車販売店などにいき、次の愛車となる候補車を見つけ、現在乗っているクルマを下取りに出して支払いの一部に充てる、というのが一般的となる流れでしょう。
廃車手続きというのは、そこでも行われています。
まだまだ使える、という車であれば、中古車として販売をし、所有者の変更を行うことになりますが、もうこれは使えない、売ることもできない、という車の場合には、販売店がオーナーの代理として、この車はもう使いません、という届け出を行っているのです。
もしこの届け出が適正に行われていなければ、後日自動車税の支払い通知書が、書類上のオーナーであるご自身に送られてくることになり、とっくに手放していたご自身がびっくりする、ということにもなりかねません。
ここではっきりしておきたいのですが、廃車手続きというのは、公道を走行するものとして登録されていた車に対して「もう使用することはありません」、もしくは「ある程度の期間、公道を走らせません」という届け出をする、ということなのです。
では、その廃車手続きをオーナー自身が行うことになるような状況は、実際のところ起こり得るのでしょうか。
ここで冬の夜道を想像してください。路面は冷え込んだことによって凍結しています。
そこを走っていたとき、急に動物が飛び出してきたため、あなたは急ブレーキを踏みました。車は路面凍結によって大きくスリップし、路肩に衝突。
車の外観には大きな損傷はないものの、サスペンションが折れてしまい、自走は不可能となってしまいました。
そこでまずオーナーが行うべきことは、警察と保険会社への連絡です。
警察へは事故による対物の損害の報告、また保険手続きに必要な事故証明を行うため、保険会社へは対物の損害に対する弁償や車両保険で車を修理してもらうためです。
ところが、車両保険で設定された金額の範囲では、この車の修理はできません、ということになったら、どうしましょう。
こういう大きな損傷を負った車は、いざ下取りに出して次の車を買おうとしても、車としての価値がないという判断をされて、下取りできませんといわれてしまいます。
つまり、悲しい言い方ですが、処分に困るゴミのような扱いとなってしまうのです。
もちろん、車両保険で足りない分は支払ってでも修理をしてまた乗り続けよう、と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかしその金額が、車両の価値を超えてしまうようなものだった場合、そこまで掛けて直す、という判断はしづらいかもしれません。
万が一そうなってしまった場合には、新たに車を購入する前に、まずは車の処分を考えなければなりません。
幸いにも車には、資源として使える素材がたくさん使われていますので、どういう状態であっても買い取ってくれる、もしくは引き取ってくれる業者もあります。
もちろん、車としての本来の価値ではなく、資源としての価値で判断されるため、買い取り金額はかなり安くなってしまいますが、保管する場所の問題も含めて考えれば「引き取ってもらえるだけでもよし」とするべきでしょう。
そういった買い取り業者の中には、廃車手続きを行ってくれるところもありますが、その点については後述します。
この、車の解体を伴う処分に関わる手続きを『永久抹消登録』といいます。
これまで登録されて公道を走ってきた車を、もう二度と使いません、登録しませんと届け出をする、それがこの永久抹消登録です。
また、たとえば長期の海外赴任が予定されていたり、入院をしなければならないなど、長期間にわたって車を使えない状態となるとき、愛着がない車なら売却すればいいのですが、どうしても持っておきたいのなら、一時的に登録を消す『一時抹消登録』という手続きをしておくと、自動車税などを余分に支払わなくて済みます。
一時抹消登録をした車は、車庫証明を新たに用意し、再度車検を受ける『中古新規登録』を行えば、再び公道を走ることができるようになります。
「保管場所はどうするんだ?」とか「そこまでして置いておく車じゃない」など、さまざまな思いはあるでしょうが、知識としてこういった手続きもあるんだ、ということを知っておいていただければ、と思います。
廃車手続きに掛かる費用について
それでは廃車手続きに掛かる費用について見ていきましょう。
一時抹消登録の場合
- 普通車
-
収入印紙代:350円
印鑑証明代:250円~300円
- 軽自動車
- 申請手数料:350円
一時抹消登録は、再び車を登録するということが前提となっているため、車の保管費用は別に発生しますが、手続きをするために必要となる費用は非常に少なくて済みます。
またすでに支払っている自動車税の還付を受けられるほか、自賠責保険を解約することで保険料の返戻金も受けることができます。
自動車税については届け出をした翌月から翌年3月までの月割り分が。
自賠責保険も最低1ヶ月以上の有効期間が残っている場合、解約することで月割りぶんが還付されます。
これらの手続きはかならず行っておきましょう。
永久抹消登録の場合
- 普通車
-
収入印紙代:350円
永久抹消登録申請書代:数十円程度
- 軽自動車
- 無料
びっくりするくらい安いですね。
しかしながら、これですべてがオッケー、というわけではありません。
永久抹消登録というのは文字通り「もう二度とその車を登録しません」という届け出なので、車そのものを使えない状態にする必要があります。
つまり、解体してしまって、その証明書を提出する必要があるのです。
そのため手続きの順番としては以下のような流れとなります。
- 車を解体業者に運び、解体してもらう
- 解体完了を確認するための移動報告番号
- それも含む必要書類を揃えて手続き
ここで問題となるのが、解体業者への運搬です。
自走できる車であれば、運転して持っていけばいいのですが、自走できない場合にはレッカー車などを手配して運んでもらう必要があります。
当然それには費用が発生します。
おおよそ2〜3万円程度、と考えておきたいところです。
さらに、車をその解体業者が資源として買い取ってくれればいいのですが、買い取りができない状態の車であれば、解体作業に関わる費用が発生します。
こちらは1〜2万円程度かと思われます。
買い取ってもらえる場合がいくらくらいになるのかは、それぞれの車の状態によって違ってきます。
自走できない車は、無料で引き取ってもらえれば御の字、と考えておきましょう。
ちなみに、解体業者はそんな低額でクルマを解体して、なんのメリットがあるのでしょうか。
ここで考えたいのは、車は資源である、ということです。
車のボディに使われている鉄やアルミはもちろんリサイクルが可能ですし、車種によってはエアバッグシステムやシート、バンパーなどもパーツとして再利用することができます。
それらの素材やパーツを販売することで利益が得られるため、安価での解体作業をしてくれるのです。
ところがあまりに破損が激しい車や、年式が旧い車の場合には、パーツとしての再利用が難しいなどといった問題が起きがちです。
そのため再利用が難しい車を解体する場合にはその費用が高額となってしまうことがあります。
その判断は業者によって異なりますので、もし余裕があるのなら、いくつか業者を訪ねて、どの程度の費用が必要になるのか確認しておくといいでしょう。
また、平成17年以降に新車登録された車であれば、購入時に支払っているため問題はありませんが、それ以前の年式の車は、平成17年以降の車検時にリサイクル料を支払っていない場合、法によって定められたリサイクル料を支払う必要があります。
これは車種によって異なるのですが、軽自動車の場合は7000〜1万円、普通車では1万〜2万円程度となります。
これもあわせて考えると、年式が旧いクルマを解体するためには、より高額の費用が必要になってくるのです。
そうやって車の解体をしてもらい、解体証明書が発行されたら、書類を揃えて陸運支局、または軽自動車検査協会に赴き、永久抹消登録の手続きを行います。
その後、自動車税や重量税、自賠責保険の還付手続きを行ってください。
廃車を自分で行うのと買い取り業者に任せるのとでは、どちらが得か
手間と時間、費用を考えて判断したい
自動車を使わなくなったために行う一時抹消登録は、保管場所さえあるのなら、それほど費用も発生しませんし、還付される金額のほうが大きくなる場合が大きいのでご自身で手続きをされるのもいいかと思います。
しかし永久抹消登録をする場合には、まず解体業者を見つけるところから始まり、車両移動の手配をし、解体が終わってから発行される移動報告番号を確認し、その上で手続きをしなければなりません。
一方、手続き終了後に還付される金額は、手続きを行った時期によって変わってきます。
その目安は以下の通りです。
- 自動車税還付金
- 自動車税額÷12×(抹消登録をした翌月から3月までの月数)
- 自動車重量税還付金
-
■車検の有効期間が24ヶ月の場合
自動車重量税÷24×(車検残存月数)
■車検の有効期間が36ヶ月の場合
自動車重量税÷36×(車検残存月数)
- 自賠責保険解約還付金
- 保険有効期間月割り分(均等割ではありません)
これらを合計した金額が戻ってくることになります。
事前に支払っていたものが戻ってくるだけですので、得をするわけではないのですが、しかし手続きをしなければ必要がないのに支払っていることになってしまうため、忘れずに手続きをしておきましょう。
逆に、掛かる時間と費用、手間を考えたら、還付金が戻ってきても割に合わないという場合は、どうしたらいいのでしょうか。
そのときに利用したいのが、業者へ廃車手続きを依頼することです。
まず、自走ができる状態の車の場合を考えてみましょう。
たとえば、ご自身が車を購入したディーラーで、下取りをしてもらうつもりだった車が下取り不可だった場合、廃車手続きをお願いできる場合があります。
しかしそのときに必要となる費用は、ご自身で手続きを行うときと大きく変わりません。
また整備工場などで修復不可能と判断されたとき、そのまま廃車手続きをしてもらえることもあります。
この場合も、手続きに掛かる費用はご自身で行う場合と大きな違いはありません。
もちろん、ディーラーや整備工場で、替わりの車を購入するというのであれば、サービスとして廃車に関わる費用を支払わなくていいようにしてくれることもありますが、基本的にこういった廃車手続きを依頼すると1万~2万円程度の手数料が発生します。
しかしサービスであっても、購入する車両諸費用に上乗せされるケースもありますので、しっかり購入する車両の明細を確認し、計算に入れるわけにはいかない、ということも憶えておきましょう。
次に自走ができない車の場合です。
事故が原因で自走ができなくなった場合、まず車は現場近くの整備工場やディーラーに運んでもらう、というのが一般的です。
そこで修復不可能と判断された場合は、廃車にするほかありません。
その場で廃車手続きをしてもらう場合には、やはり費用が発生します。
もしご自身で手続きをしたいという場合には、解体業者への手配や、レッカー車の手配などが新たに必要となってきます。
そういう場合も含めて、手間と費用を掛けずに廃車手続きをすることができるのでしょうか。
その場合にオススメしたいのは、廃車専門の買い取り業者です。
こういった業者は、先に述べた金属としての車の利用や、パーツとしての販売を行うことで、利益を出しています。
そのために廃車を引き取り、または買い取りをしてくれるのです。
廃車専門買い取り業者にとって、車の引き取りや買い取りは、いわば仕入れ、ということとなります。
利益を出すための車の引き取りや買い取りですから、廃車専門買い取り業者に手続きを依頼すると、レッカー車による運搬費用や手続きの代行料金など不要としている場合が多くなっています。
費用が掛かる場合でも、ご自身で手続きを行う場合よりも安く済むことが多くなっています。
こういった業者を利用することのもっとも大きなメリットは「オーナーご自身の手間が最小限で済む」ということです。
これでオーナー側に金銭的なプラスがあるかどうかというのは、車の年式や状態によって異なってくるため一概にはいえません。
そこはあくまでおまけと考えておいたほうがいいでしょう。
まとめ
廃車手続きをするとき必要な費用は、車の状態で大きく変わる
極端なお話をするなら、買ったばかりの新車を廃車にするなら、必要となる費用はほとんど掛かりません。
というよりも、わざわざ廃車にしなくても、売却すればいいだけのことです。
自走できる車を廃車にする場合には、年式が新しければ新しいほど、必要となる費用は少なくなります。
年式が旧い場合には、リサイクル料を支払う必要も出てくる可能性があるほか、解体費用が発生する可能性も大きくなるため、そのぶん費用負担が増えてくるでしょう。
自走できない車は、解体業者の作業場へ運ぶためのレッカー料金がさらに加わりますので注意が必要です。
廃車手続きは、手続きそのものに掛かる費用は小さいものの、実際に車を解体してもらうために必要となる費用が大きくなり、また手間や時間が掛かってしまうというのがポイントといえる部分です。
その手間や時間を惜しみつつ、費用的な負担も小さくしたいと考える場合には、廃車専門買い取り業者に引き取りをお願いする、というのはベターとなります。
廃車専門買い取り業者は数多く存在していますので、自車の状態を伝えてトータルで費用がいくら必要となるのか、あるいは引き取りではなく買い取りをしてもらえるのかどうかを確認し、もっともご自身にとって有利な条件を提示してきたところに依頼する、ということがオススメです。
この記事の監修者
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日本廃車センター 代表
羽田 敬一
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【経歴】
2020年 日本廃車センター代表就任
廃車業界14年、合計5000台以上の廃車買取業務に携わっております。
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